教室の活動

ホーム > 教室の活動

1.本教室の概略

東京医科大学 公衆衛生学分野は昭和20年12月故赤塚京治主任教授により我が国では始めての「公衆衛生学教室」として発足した。戦後の混乱の中で、中毒を中心とする産業衛生、環境衛生に関する業績は大きなものがあった。その後、衛生学・公衆衛生学教室となり、衛生学を主とする故宮澤寿一郎主任教授、公衆衛生学を主とする藤波襄二主任教授とによる二講座一教室体制が敷かれ故宮澤主任教授退任の後は藤波主任教授と故岩根久夫主任教授によってこの伝統は引き継がれ衛生学・公衆衛生学の二講座が有機的に機能し一教室としてその実績をあげてきた。
さらに、世界保健機構(WHO)事務局長中嶋宏博士(現名誉事務局長・本学昭和29年卒)を客員教授に迎え、国際的な保健研究活動も開始された。
平成9年(1997年)、藤波、岩根両主任教授の後任として下光輝一、勝村俊仁両助教授が主任教授に就任し、前教授の研究事業を継承すると供に、新しい健康増進・予防医学の研究を展開していたが、両主任教授就任後8年が経過し、下光講座、勝村講座の活動が明確に分かれてきたため、平成18年(2006年)4月より、下光講座は「公衆衛生学」講座として、勝村講座は「健康増進スポーツ医学」講座として、二教室二講座制への改組が行われ本教室は公衆衛生学講座となった。平成24年(2012年)4月、下光講座で准教授をつとめていた井上 茂が主任教授に就任し、平成26年(2014年)4月より講座名称変更により公衆衛生学分野となった。

2.構成人数

主任教授1、客員教授3、講師4、兼任講師3、客員講師7、客員研究員2、社会人大学院生(博士)3、
大学院生(修士)1、助手2、書記1
(平成28年4月現在)

3.主な研究

本教室では、健康に関わる公衆衛生学的諸問題について、身体と精神の両面からのアプローチを試み、総合的な健康増進・予防医学的研究を行っている。

  1. 生活習慣病予防のための行動医学的・疫学的研究
    生活習慣病の要因となるライフスタイルには、身体活動・運動、栄養、喫煙、飲酒など様々なものがある。当教室ではこれらの中でも、特に身体活動・運動に焦点をあてて研究を行っている。具体的には、身体活動をどのように評価するのか、身体活動にはどのような健康効果があるのか、人々の身体活動を推進するにはどうすればよいのか、といった問題が研究テーマとなっている。特に、身体活動の健康効果が明らかであるにも関わらず、活動的な生活を送っている人が少ないこと、その結果、肥満、糖尿病といった生活習慣病が増加している昨今、「身体活動の推進」は重要なテーマとなっている。身体活動推進のためには、身体活動行動を行動科学的に検討する必要があり、現在行動医学に関する研究に取り組んでいるが、最近では人々を取り巻く環境要因に注目した研究も行っている。
    これまでに当教室が関わった活動としては、「健康日本21」における身体活動・運動の目標値の設定、「健康づくりのための運動基準2006」の策定、国民健康・栄養調査の企画、評価などがある。
  2. 職業性ストレスとその健康影響に関する研究
    生活習慣病やうつ病などの発症および経過に重大な影響を及ぼす職業性ストレスについて、企業におけるストレスの実態調査などを行い職業性ストレスと健康との関連について疫学的な研究を行っている。また、ストレス関連学会の中では最大の会員数を有する日本ストレス学会事務局が設置されており、ストレス科学研究の中心になっている。
    • 職業性ストレスの評価法の開発研究
      ストレス研究において信頼性・妥当性を高める最も重要な鍵は、ストレス評価法である。当教室は、旧労働省から平成7〜12年度「作業関連疾患の予防に関する研究」の委託を受けて、全国のストレス研究者に参集いただき妥当性と信頼性の高いストレス評価法の開発研究プロジェクトの中心的役割をはたした。特に新たに開発された職業性ストレス簡易調査票については、関連分野から高い評価を受け、全国の事業場に広く活用され職場のメンタルヘルス対策に貢献している。
    • 交替制勤務の生体に与える影響に関する心理・生化学的研究
      交替制勤務従事者の慢性疲労やストレスの評価を、自律神経機能、免疫機能、内分泌機能、心理的反応などの面から多面的に検討を行っている。
  3. 疲労研究

4.国際的活動および海外との学術交流

  1. 職業性ストレスに関する国際カンファレンスの開催
    1998年には、日米欧の3極先進諸国における職業性ストレスの現状と展望を討議するために、欧米の最先端の研究者(Karolinska医科大学、米国国立職業安全衛生研究所NIOSHなど)を招き、国際会議を開催し、「東京宣言」を発表した。この「東京宣言」は各方面にインパクトを与え、EUではこれを受けて「職業的ストレスに関するガイダンス」を発表した。
  2. その他の活動
    • スウェーデン・カロリンスカ医科大学ストレス研究所(現ストックホルム大学ストレス研究所)
      (テオレル名誉教授・レビー名誉教授)
      職場における心理社会的ストレスと健康の問題。
    • オーストラリア・タスマニア大学医学部・メンジーズ研究所
      (ドワイアー所長)
      発育期血清脂質値の国際比較研究
    • コペンハーゲン労働衛生研究所(クリスチャンセン教授)
      コペンハーゲンもえつき尺度“CBI”の開発と国際比較の研究
  3. 海外留学
    • スウェーデン・カロリンス医科大学ストレス研究所
      (テオレル名誉教授・レビー名誉教授)
    • オーストラリア・タスマニア大学医学部・循環器疾患の予防と健康教育に関するWHO協力センター
      (ドワイヤー所長)
    • ピッツバーグ大学公衆衛生大学院
    • ハーバード大学公衆衛生大学院