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疲労回復のための栄養素の効果的な摂取

体内に摂取した栄養素、特に炭水化物や脂肪などを代謝して効率よくエネルギーとして利用できない場合、疲労感が出てきます。このエネルギー代謝が円滑に行われるためには、ビタミンはなくてはならない栄養素です。エネルギー代謝によるスタミナ維持における一連の反応で、特に関連が深いビタミンは、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6)です。8)役割はそれぞれ異なりますが、どれが欠けても十分なエネルギー代謝を行うことはできません。それでは各ビタミンの働きについてみていきましょう。

ビタミンのおもなはたらきとビタミンを多く含む食品

これらのビタミンは、食事から摂取されるとともに、通常私たちの体内の腸内細菌により産生されているため不足が生じにくくなっています。しかしながら、現代においてはビタミン、ミネラル、繊維質の主摂取源である野菜の栄養価が50年前よりも低下している8)と言われており、不足が生じる可能性があります。また、抗生物質や経口避妊薬を長期に服用されている方、偏食が続いている方、偏食でなくとも手軽さから毎日同じような食品をチョイスしてしまうことが続く方、加工の過程でビタミンが減少していまっている加工食品9)を多く摂取する方においては、腸内細菌のバランスに変化が生じ、ビタミンB群がうまく腸内で産生されず不足が生じることがあります。また、カフェインやアルコールの常飲者、ストレスや激しい運動などによってビタミンB群の消費が高まり、不足することもあります。

不足しないよう、いろいろなビタミンを適正に摂取するには、特定の食品に偏ることなく、いろいろな食品の摂取が必要となりますが、ビタミンB1は肉類、特に豚肉の摂取が、ビタミンB2は乳類の摂取が、ビタミンDでは魚の摂取がポイントになるようです。10)

国民健康栄養調査の結果によると、男女共にビタミンB1・B2の摂取は、補助食品から摂取していても不足している方が多いそうです。10)ただし、サプリメントなどの補助食品は品質も規格も一定でなく、混合物や含有成分なども様々で、成分同士の相互作用や過剰摂取などの可能性が否定できません。必要なビタミンは食事で確保できるようバランスのよい献立に気をつけ、その上で不足しがちなビタミンをサプリメントで補う場合、サプリメント・健康食品の安全性を確認することが重要です。11)ビタミンなどの健康食品を利用する方は、2015年度で5000万人を超えると推定されており、健康食品に関心を持つ人に向け、「ぜひ知っておいていただきたいこと」として内閣府食品安全委員会は、2015年12月に19項目にわたるメッセージを出しています。12)
サプリメント・健康食品には、きちんと製造され医療の場でも使用されているビタミン等がある一方、実際のビタミン等の有効成分の含有量が少ないものや、合成成分を使用したものなど、玉石混合であることに留意することが重要です。
健康食品の有効・安全情報は、独立行政法人国立健康・栄養研究所が管理しているサイト13)で得られます。こちらは国内では最大規模のデータを掲載しており、健康食品の被害関連情報も掲載されていますのでご参照ください。また、サプリメントを処方薬と併用されている方も少なくないようですが、医薬品とサプリメントの相互作用を持ち、同時に摂取することで作用が減弱あるいは増強してしまうことがあることにも注意が必要です。

なお、慢性疲労症候群という病的な疲労についての研究の蓄積からは、ビタミンB1のみならずCoQ10、αリポ酸、L-カルニチン、パントテン酸、鉄、銅などが疲労の回復において重要な物質として報告されています。14)日常生活に支障が出るほどの疲労の場合、慢性疲労症候群のみならず、隠れた病気患が存在することもありますので、医療機関に相談してください。

対象者の皆様の健康食品の摂取状況の結果を下表にお示ししました。